アフガンからの米軍の撤退は正しいか?
米外交専門誌 Foreign Affairs のウェブサイトに、
Is Washington Right to Leave Afghanistan?
Foreign Affairs Asks the Experts June 22, 2021
アメリカがアフガニスタンから撤退するのは正しいか?
フォーリン・アフェアーズが専門家に聞く 2021年6月22日
と題するアンケートの結果が掲載されています。
アンケートの項目はシンプルなもので、「The United States is right to withdraw all its military forces from Afghanistan.(米国がアフガニスタンから米軍をすべて撤退させるのは正しい」について、専門家に反対・賛成を問うものです。
※ バイデン政権はアフガニスタンに駐留する米軍を2021年9月11日までに撤退させることを公式に表明しており、すでに撤退作業が進められています。
撤退に反対23人・賛成32人
「The United States is right to withdraw all its military forces from Afghanistan.(米国がアフガニスタンから米軍をすべて撤退させるのは正しい」について反対・賛成を問うアンケートの結果は次のとおりでした。
● 大いに反対 16人
● 反対 7人
● 中立 3人
● 賛成 17人
● 大いに賛成 15人
ウェブサイトには回答に応じた専門家たちのコメントも掲載されています。
以下、反対と賛成のコメントをそれぞれ1つずつ紹介します。
※英語の原文は上記のウェブサイトか Foreign Affairs(英語版)で確認してください。
撤退に反対のコメント
デイビッド・ペトレイアス(David Petraeus)
KKRパートナー、KKRグローバル・インスティチュート議長、イラク・アフガニスタンにおける多国籍軍の元米国司令官
米国は今後、撤退の決定が大いに遺憾なことであったと表明し、アフガン政府軍への支援やアフガンを覆う内戦の阻止のために、またアルカイダやイスラム国(ISIS)がアフガニスタンや近隣諸国に聖域を設けることを不可能にするために現地での持続可能な関与を維持すべきであったと結論づけることになるかもしれない。
撤退に賛成のコメント
アン・マリー・スローター(Anne-Marie Slaughter)
ニュー・アメリカCEO
米軍の撤退はアフガンの女性と同国の社会・経済にとって不幸な結果となる可能性がある。しかし、バイデン政権は、20年間に及ぶ攻勢と戦略的な変化が十分なものであったこと、米国がアルカイダの基盤の破壊という当初の軍事的使命を成し遂げたこと、だが、アフガン社会を作り変えるというさらに大きな使命を果たすことはできないことを認識する勇気を持った。
※ アンケート結果は冒頭に紹介したサイトにて、Foreign Affairsの購読の有無を問わず閲覧可能だと思います。また、Foreign Affairs July/August 2021 の最後のページにも調査結果の概要が掲載されています。